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一日一句、季節の移り変わりを感じていけたらと思います。 また詩の方もつれづれに…
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   魔女カカさん


一.
帽子の好きな魔女カカさん
大きな夜空を一直線
三日月越えて、森の向こうへ
誰も知らない小さなお家

二.
料理の好きな魔女カカさん
きょうは病気の友達に
たまご焼を作っている
大きな大きなたまご焼

三.
コンコンドアをたたく音
のらねここねこ倒れこむ
おやおやこれはどうしたの
腹ペコで死にそうなんです

四.
料理の好きな魔女カカさん
のらねこ食べる夢中で食べる
大きな大きなたまご焼
庭で鶏鳴いている

  一.の繰り返し。





みみずくNo29(2007)
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hakutyouarakawa.jpg

















    五月の店

一、
桜たちは華やかな
ヒロインの翼を閉じた
満開の疲れを風にゆらせ
絵の具の匂いと
ほどいている

キラキラ揺れるこもれび
サワサワ薫る緑の風

二、
その時「お茶でも
どうですか」と声をかけられ
桜の精はほおっと溜め息をつき
少女の顔で訪れる
店がある

キラキラ揺れるこもれび
サワサワ薫る緑の風

三、
絵のかかる店で
桜の精はそっとお茶を飲む
小鳥がきてかすかに笑った
緑の薫りがして
カップだけが残る

キラキラ揺れるこもれび
サワサワ薫る緑の風


この詞に曲をつけてもらいアマチュアバンド「ひき」が唄います。
5月頃。これはまだ習作です。    
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   銀河に近い病室の駅


銀河の駅、眠れない夜に出逢う
夜中の時間をもてあましている
ナルミさんもわたしと同じ、眠れない
たまたま、わたしとナルミさんは同じ猫の柄のあるスリッパをはいている
「猫、好きなの?」 とナルミさん
「うん、猫、いたんだけど二十歳で死んだの
去年の夏のお祭りが終わった次の日の朝」
ナルミさんは鼻の下にチョビヒゲのある猫の自慢話をする
写真を見せてもらうと確かにチョビヒゲのような模様
かわいいけれど、おかしい

人は考えないで酸素を吸う
酸素をありがたいと思う人はいない
あってアタリマエだから
病人っていうのはアタリマエを失くしてしまった人
アタリマエの大切さを一番よく知っている人のことだろう
いつも酸素を必要とするナルミさんの日常
この地球でナルミさんの周りだけ酸素がうすい

一年後の夏、ナルミさんからのメールがとだえる
携帯電話は解約されている
ナルミさんは銀河の駅から汽車に乗ったのだ




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ゆっくりと自分の俳句や詩と向き合って行きたい。
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