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一日一句、季節の移り変わりを感じていけたらと思います。 また詩の方もつれづれに…
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運命を待つ子猫いてオリオン座

カーテン揺れて子猫跳びつく窓の月

夜が来て原初までの被災地の闇

病癒え雌豹のような髪の色

春がすみ電信柱が手をつなぐ

  (海程4月号投句)

 

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春がすみ電信柱が手をつなぐ


わらび餅避難所生活に笑顔


日常という積木はじけて花の咲く


被災地で祈るように探す写真


大震災今年もしずかに花の散る



夜が来て原初までの被災地の闇


高価な物も意味無く見える震災


地震きて走り回るにわとり我が身とて


飲み込んだものの大きさ春の海




干からびてしっかり歩く子猫いて


運命を待つ子猫いてオリオン座



幸せは誰かが持ってきてくれると
思っていた
そうでも無いのかな
都会にでてきたけど
うまい言葉も出なくて
話ははずまない
彼氏ひとり見つからない

面倒で触れないところに
ほこりが溜まり
どこからか掃除の達人が
来てくれるのを
待っているけれど
なかなか現れない

仕方なく掃除を始めた
雑誌の山を束ねて紐で結び
ほこりを掃い
片付けて雑巾をかけた
掃除が終わる頃には
気持ちがさっぱりした

ドラマみたいに出逢うことは
ほとんど無いし
幸せ配達人はしばらく
私の部屋のドアを
ノックすることを忘れている
 

自転車

鶏のトサカの色の自転車を買った
鶏がコオケエーコオコオと鳴くと
自転車は喜んで夜明けの海まで
走りたくなった
鶏が空を見上げて
飛びたそうにしていると
自転車は空まで走ろうと決めた
ピーマン

青ざめた私は叫んでいた
顔は笑っていたが
本当は叫んでいた
ムンクの絵をみた
なんだか自分が
バカバカしくなって
これからは笑わないことにした
叫んでいるのは私
青ざめているのは私
寒波来る昼餉の向こうにうっすら富士

寒の空友が笑えば吾も笑う

寒の入日向ついばむ鶏のいて



「バイキング」

テレビでは山のたべものが無くて町に下りてきた熊が
人にケガをさせて銃で撃たれたニュースがながれている

見知らぬおじさんが
「こんにちは」
と挨拶をした
みるからに熊だ
これは熊が化けているつもりらしい
大きな帽子をかぶりコートをきている
「おじさん、ちょっと待ってて」
家に帰り貯金箱を持ってくる
ぼくはおじさんをバイキングに招待したいと思う

ぼくが食べきれないくらいのご馳走を取ってきたら
「これ食べていいんか」
おじさんは泣いて喜び
「仲間にも食べさせたい」
と、一言
でも、ここはレストランだから、そういうことは出来ない
そして少し考えて
「僕が大きくなったら
コックさんになって
山にバイキングのお店を開いてあげるよ
それまで待っていてね」
熊おじさんはまた泣いた
顔中涙でべとべとになって
それでも食べている

 

初夢をみているのかな猫の寝言


初夢の枯野に眠る犬のいて


病なりしも川のようにと雪の降る



初夢やいつも隣にねこがいる

初夢に亡父までもがやってくる



whinode233.jpg
















元朝の三日月かかる鼓動かな

初景色眼下に街の広がりて

初東雲(はつしののめ)小さき吾の消えてゆく

★ときめいて透明にある冬の月(ななご)

俳句紹介
力一ぱいに泣く児と啼く鶏との朝(萩原井泉水)

空を歩む朗々と月ひとり(萩原井泉水)

大空のあくなく晴れし師走かな(久保田万太郎)
 


少しゆううつ青柿のころんと落下

青柿の家の庭先ゆるりと蛇

青柿をカラス見に来て高笑い

木目のごと蟷螂のいて秋の雲

心地好く点滴落ちる秋の昼

(海程投句11/20〆切。2.3月号分)


■干柿

柿六つ貰って干して風と待つ

干柿をでれでれ食んで夕焼ける

旧友の変わらぬ声よ札幌の雪

(教室2010.11/20〆切)
 

旧友の変わらぬ声よ札幌の雪

オルゴール鳴り点滴落ちる秋の昼



窓際で木を掘る人やほととぎす


秋の雲オムレツを食む皿の音


夢ばかり語る向こうに椎落ちる


坂登り山に飛び込む豹紋蝶


風も無し鶏鳴響く秋の真昼

(海程10月号)


風も無し鶏鳴響く秋の真昼


窓際で木を掘る人やほととぎす



秋の雲オムレツを食む皿の音

夢ばかり語る向こうに椎落ちる

秋思なりどこからとなく風が吹く

吾子の帰宅の音を気にして栗ご飯

かまきりも彼岸花から空を見る

坂登り山に飛び込む紋黄蝶



「こころとからだ」

こころがいたいとき
からだもふるえ
なみだがこぼれる

からだがいたいとき
こころもちいさい
ためいきをつく

やさしいことばに
こころがよろこんでいる
からだがわらっている

ひとはいつかしぬけれど…
わたしのなかのちいさなへやに
すみついている
あなた

帰宅せば皿からはみでた初秋刀魚


雄鶏の声も大きく秋の雨


黒蝶の亡き友のごと玄関に



ババヌキで笑う七人秋蛍


雄鶏の居場所無くして残暑かな


渋滞抜けて七十路の叔母の初花火



夾竹桃(きょうちくとう)踏切待ちの長いこと


久久に裏窓開ければのうぜんかづら



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ゆっくりと自分の俳句や詩と向き合って行きたい。
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